皆さんは料理によってお醤油を使い分けたりしていますか?
醤油は地域や製造方法、原料の比率などにより、たくさんの種類があります。
私は結婚してから京都の義母に淡口(うすくち)醤油の使い方を教わりました。
関西発祥の淡口醤油は、京都の料理作りに欠かせないようですね!
天然醸造のイゲタ醤油には15年ほど前に出会いましたが、
井上本店の『自分たちが食べて美味しいと感じるものを造る』というこだわりを感じるような美味しいお醤油です。
その美味しさの理由を知るために、醤油について詳しく知っていきましょう!
JAS(日本農林規格)により5つに分類される醤油
JASマークとは、品位、成分、性能等の品質についてのJAS(一般JAS)を満たす食品や林産物などに付されます。
規格により分類される醤油は以下の5つになります。
- 濃口醤油
- 淡口醤油
- たまり醤油
- 再仕込み醤油
- 白醤油
国内生産量の約8割は濃口醤油で、一番よく使われている醤油です。
それぞれ料理により使い分けられていますが、
私が実際に使ったことがあるのは濃口・淡口・たまり醤油です。
たまり醤油は水分が少なく伸びが良いので、お刺身にとてもよく合います。
イゲタ醤油の濃口は、じっくり2年の歳月をかけた長期醸造なので、一般的な濃口醤油よりよくのびます。
醤油ビンのラベルに書かれている通り、1~2割控え目に使っても美味しいので、たまり醤油風でお刺身にも十分合いますよ!
天然醸造とは?
ここでもJASの引用から見ていきましょう。
天然醸造醤油の基準JAS法の品質表示基準では、天然や自然という用語をラベルに使用することを原則禁止していますが、以下の条件を満たす場合に限り天然醸造の表示を許可しています。
1. 本醸造の製法によって作られている
2. 酵素の添加など、醸造の促進を行っていない
3. 食品添加物を使用していない
井上本店では『微生物の邪魔をしない』という考えの元、様々な専用設備を導入し酵母菌を守り継ぎつづけています。
原料も国産丸大豆・国産小麦にこだわり、塩はオーストラリア産天日塩を使用。この大豆・小麦・塩のみを昔通りの原料割合で造っています。添加物はもちろん一切ありません。
<醸造のすべての工程>
原料処理 ➡ 製麹 ➡ 仕込み ➡ 発酵 ➡ 熟成 ➡ 圧搾
これらすべてを自社内で行う昔ながらの醸造を続けているため、蔵によって独自性が保たれているということです。
ここまであっさりと書きましたが、実は1960年代に施行された中小企業近代化促進法により、全国のほとんどの地域で全工程が地域の醤油メーカーの共同工場で行われるようになりました。
そのため原料も脱脂加工大豆を使用。発酵促進剤などの添加物も多く、人工的に温度調整をして短期間で発酵をすすめ商品を完成させているところがほとんどになりました。
一方、この計画に賛同しなかった生産者は、今でも原料や製法にこだわり酵母菌を守り継ぎ続けています。
微生物の自然な発酵に任せてゆっくりと2年の歳月をかけて、自然とともに変化を遂げる天然醸造で熟成したお醤油は、手間もかかりますがとても貴重な存在だということです。
JASの天然醸造醤油の基準を十分に満たした井上本店のイゲタ醤油。
昔ながらの製法で守られた酵母菌が美味しさのカギだったのですね!
イゲタの八方だしが大活躍!
冒頭で、私が京都の義母から淡口しょうゆ・濃口しょうゆの使い分けを教わったとお伝えしましたが、
淡口といっても塩分濃度は濃口よりも高いのです。主にお出汁を取るときに使いました。
義母におせち料理を習ったときは、あらかじめ昆布とかつおで大量のお出汁を大鍋でとりました。その大鍋から都度取り分けて、味を調えて次々と調理していました。
淡口醤油のお出汁は料理の色も茶色になり過ぎず、品よく仕上がるのです。
さて、本格的な出汁の取り方などを義母から習ったにもかかわらず、私は子育てが3人にもなると、時短で美味しく!を目指すようになりました。
そこで、同じ井上本店の「八方だし」がとても重宝しました!もちろん今も活用しています。
八方だしは、しょうゆ加工品と表示されていますが、淡口醬油ベースに当然余計な食品添加物や保存料も含まれていないので安心できますね。
自分で取る出汁も良いのですが、原材料に乾椎茸も入っているのでより美味しく、いつでも手軽に使えて便利です。
以下は八方だしのラベルより引用しました。
八方だしとは”四方八方”に使える万能だしの事で、煮物・和え物・鍋等あらゆる和風料理にお使いいただけます。
弊社では国内産丸大豆・小麦に甘酒を加えた自社製天然醸造淡口醤油をベースに、鰹節と昆布・椎茸のだしを自社で取り、風味豊かに仕上げました。
原材料にも『ふし(そうだ鰹、鰹)』と書かれています。本格的なおいしさです!
我が家では、お弁当用のだし巻き卵をつくるときや、茶わん蒸し、おでんなどにも、この八方だしが欠かせません。
井上本店・実は味噌の万葉小町も万能!
醤油と味噌の共通点は、麹を使ってできる発酵食品ということです。
手作り味噌を初めてつくったときに、発酵する過程で黒っぽい汁が表面にでてきました。
それが味噌だまりと知ってから、汁をすくって味見をすると確かに醤油のようでした。
醤油そのものではないけれど、味噌風味の醤油そっくりな味わい。
味噌に混ぜ込んだりしましたが、思わぬ副産物がとても美味しくて手作りの良さを実感しました。
井上本店で味噌も造られていることは、とても自然なことですね。
特にこの白味噌万葉小町は、ふたの紙にも印刷されている通り、洋食の味付けにピッタリの甘味とコクが出ます!
グラタン、ドレッシング、クラムチャウダーなどに手軽に使えてとても便利です。
原材料は安心の米(国内産100%)、大豆(国内産100%)、食塩の3点のみ。
白味噌にも醤油と同じく添加物は一切含まれていませんね!
白味噌が入ったパックのふたの部分の紙
管理人コトの感想とまとめ
奈良市にある株式会社 井上本店の天然醸造醤油をご紹介しました。
1864年の江戸時代末期に創業され、麹と日々向き合いながら醤油と味噌を自然の流れの中でつくり続けています。
こだわりの国産丸大豆と国産小麦、天日塩のみの原料と昔ながらの天然醸造で2年の歳月をかけて丁寧に造られた本物の醤油。
まろやかでとても調和のとれた深い味がします。そして化学調味料・防腐剤などの添加物が一切含まれていないので、安心して使うことができますよ。
醤油は和食のみならず、カレーの隠し味に使ったり、洋食の味付けを和風にするときに使ったり、と毎日使わない日はないと思います。
日頃よく使うものをあえて質の良いものに変えてみると、いつもと同じ料理でも味が変わり、料理がさらに楽しくなるかもしれませんね。それはまさに15年前の私のことです!
地域によっても醤油の種類は豊富にあるので、いろいろ試してお気に入りを見つけてみるのも楽しいと思いますよ。
最終的に、私はイゲタの濃口醤油と八方だしに落ち着いて、15年間使い続けています。
白味噌の万能小町は、この商品をよく使っている方に紹介されて使い始めましたが、主にグラタン、シチューなどの味付けやお菓子作りなどに使い、美味しさを実感しています。
最後までお読みいただきありがとうございました♪